私たちの星 うたをうたうとき 曲目紹介

豊中混声合唱団では21世紀を迎えるにあたり、いくつかの基本方針を決めたが、その一つが青少年の合唱活動に対する支援である。そしてその一環として誕生したのが姉妹合唱団としての「豊中少年少女合唱団」や「豊中ユース合唱団」であり、以来、お互いの定期演奏会に賛助出演をして共に歌っている。

豊混の定期演奏会では、第41回(2001年)から青少年と共に歌うステージを取り入れ始め、姉妹合唱団のみならず地域のジュニア、中学、高校、大学の合唱部のメンバーにもできるだけ参加してもらうようにしている。

さて、今年のステージは、松下耕氏の作曲による2曲をとりあげた。松下氏は、合唱の作曲家・指揮者・教育者として八面六臂の活動をしておられるが、その中で子供から大人まで、実に幅広い年齢層にかかわっておられるが故に、このような素晴らしい曲を作曲されるのだと思う。

「私たちの星」は、2002年度の東京カンタートの委嘱曲であり、初演では子供から大人までが大集合して歌い、大きな感動を呼んだと聞いている。豊混も今年、初めて東京カンタートに参加させていただいたが、誠に志の高い、真に音楽的な集いであり、そのような場において、子供が大人と共に育まれていくことは実に意義深いことであると思う。谷川俊太郎さんの地球への熱い想いを綴った詩は、本日の最終ステージ「地球へのバラード」とも呼応している。

「うたをうたうとき」は、2001年度の福岡県合唱連盟北九州支部の委嘱曲である。まど・みちお氏は、私たちがうたを歌うときの高揚する気持ちを、ひらかなだけの僅か11行に見事に書き留められておられる。ピアノも華麗に舞う。

大阪府合唱連盟でも2003年に「童声・混声合唱とピアノのための“葉っぱのフレディ”」を三善晃氏に書いていただいたが、さまざまな形態の合唱団の連合体である合唱連盟こそ、このような混成体の合唱曲を産出する場としてふさわしいだろう。

去る5月22日、枚方市内の合唱団の連合体である枚方合唱協会の委嘱により、松下氏の「おわりのない海(児童+混声バージョン)」が初演され、私もお手伝いをさせていただいたが、今後、各地の合唱連盟や合唱協会などでこのような曲が次々と誕生することを願ってやまない。


2005年7月2日 豊中混声 第45回定期演奏会 西岡茂樹