和合亮一さんは、福島市で高校の教師をしながら、現代詩を書き続けておられ、これまでに現代詩壇で多くの賞を受賞。日本で最も注目される詩人の一人として、精力的に活動してこられました。お酒もよく飲み、とても元気で快活な人です。 ところが、その運命を、3月11日の東日本大震災、それに続く福島原発の事故が、大きく変えることになりました。 誰もいないアパートでただ一人、誰の目にも留まらないだろうと思って書き始めた言葉たち。しかし、意外にも、すぐに多くの人からの反応が寄せられ、福島の本当の今を知る窓口とまで言われるようになりました。 これらの言葉に感銘を受けた作曲家の新実徳英氏が「つぶてソング」という題名で、連作を始めました。すでに12曲が発表されています。まずは単旋律のユニゾンで作曲されていますが、今、順次、合唱にも編曲されつつあります。 今宵は、合唱団の演奏会としては稀なことではありますが、これらの曲をユニゾンで歌わせていただきます。ただ、新実先生はすでに男声合唱への編曲作業を進めておられ、この原稿を書いている2011年12月8日現在、第1曲の「あなたはどこに」だけが届いています。年末から年始にかけて、もしかしたら何曲かは男声編曲が完成するかもしれませんので、間に合えばそれらを交えて歌いたいと思います。 西岡茂樹 |