柴田純子氏による「銀河街道」プログラムメッセージ


女声合唱団あい第5回定期演奏会プログラムへのメッセージ寄稿


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『銀河街道』の上演にあたって

柴田 純子

 大聖年にあたる今年、徳山カトリック教会で柴田南雄作曲の『銀河街道』が演奏されるのはこの上ない喜びです。柴田はカトリック信者ではありませんでしたが、日曜毎に公教大神学校のミサに通ってグレゴリオ聖歌を聴いた大学生時代から、終生キリスト教への関心を失いませんでした。キリスト教を主題とする作品もいくつか残しています。

  『銀河街道』は児童合唱のために委嘱されたもので、やや教育的な性格を持っています。中世キリスト教の素朴で純粋な信仰がどのようなものだったかを、歌いながら、演じながら、そして聴きながら学ぼうというわけです。

 1993年夏の初演のあとで、私は展覧会「サンティアゴ、ヨーロッパの道」を見るためにコンポステラに行きました。11年ぶりの聖年だったので、町はザックを背負い杖を持った若者でいっぱいでした。幼い女の子をザックにのせたお母さんや、ピレネー山脈を自転車で超えてきたフランス人の夫婦にも会いました。昼のミサは立錐の余地もなく、天井から吊るされた巨大香炉の煙とともに会衆の祈りが天高くのぼって行きました。

 このような祈りの空間が、今日ここに生まれることを願ってやみません。そしてメンバーの皆さまと、柴田の作品から常に新たな意味と響きを引き出してくださる指揮者の西岡茂樹氏に、心から感謝いたします。

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