新しい合唱音楽研究会・関西 1998年1月
新しい合唱音楽研究会は、「新しい時代における、新しい合唱のあり方を、新しい合唱曲を題材にして、実際に合唱を楽しみながら探求していく」ことを目的とした研究会で、東京混声合唱団の田中信昭先生にご指導をお願いしています。
本研究会は、既存の合唱団や組織を超えた、言わば、「超党派」としての活動であり、その趣旨に賛同する人なら誰でも会員になることができます。
現在、会員登録総数は約100名、京滋阪神地区のさまざまな合唱団から参加されています。また、これまでの活動実績は、次の通りです。
・第1回 1993年4月 柴田南雄曲「みなまた」 (1992年作曲)
・第2回 1993年9月 柴田南雄曲「深山祖谷山」 (委嘱初演)
・第3回 1994年3月 三善晃曲 「五つの願い」 (1988年作曲)
・第4回 1994年11月 林光曲 「炎の谺」 (1994年作曲)
・第5回 1995年12月 柴田南雄曲「三重五章」 (1994年作曲)
三善晃曲 「じゅうにつき」(1993年作曲)
三善晃曲 「じゅうにつき」(1993年作曲)
・第7回 1997年7月 柴田南雄曲「人間について」
さて、今回の第8回では、本研究会の重要な柱である柴田作品として「静かな森」を、そして柴田門下の高橋悠治氏による「クリマトーガニ」を採り上げることに致しました。
柴田南雄曲「コーモリ傘と合唱のための七章 静かな森 −寒山と拾得−」は、1990年の東京混声合唱団委嘱曲であり、佐藤真氏の台本によるものです。
佐藤氏は、プログラムノートにこう書いておられます。
“昨年(1989年)、たまたま仕事で訪れていた中国の北京で、「6月4日」に遭遇しました。どうやらぼくたちは、自分たちがつくり、住んでいる世界の枠組みについて、もう一度、根本的に考えなおさなければいけない時代に生きているようです。〜(中略)〜 年末に、今度は毎晩のように伝えられる東欧激動のニュースを見たり聞いたりしながら、四苦八苦してこのテキストをまとめました。モチーフは、「6月4日」のぼく自身です。したがって、この作品と「6月4日」との関わりは、「たまたまその時そこに居あわせた」以上の意味をもつものではありません。「悲しみ」というような抒情で済ませてしまうわけには絶対にいかない、かと言って当面は一切の判断を留保しておくしかない、突然揺らいだ世界のまっただ中に宙吊りにされてしまったぼくの、つかの間のイメージです。ぼく自身にとっては、意味の普遍性よりも、とりあえず個人的な心象のドキュメントとしての正確さの方に重きをおいた作業であったと思っています。”
佐藤信氏と本研究会との出会いは、第2回「深山祖谷山」の演出をお願いした時でありました。その時のお姿が彷彿とするようなシャープなメッセージです。
パーカッションを伴います。ホール全体を使うシアターピースであり、1時間近い大作です。
高橋悠治曲「クリマトーガニ」は、やはり1979年の東京混声合唱団委嘱曲です。
高橋氏は、プログラムノートにこう書いておられます。
“トーガニまたはタウガニは、宮古で一定の旋律型にあわせて自由にうたう即興詩。この曲の原曲は来間(くりま)島のクリマガーヌカスキダナ(来間の井戸のカシの木の足場)で杉本信夫採譜により、杉本信夫「沖縄の民謡」にでている。歌詞はその一部をとった。
三線のような楽器をゆるされなかった宮古農民は、たいへん古く、東南アジアの島々ともつながる歌のスタイルをのこしている。風にのり、野や海にひびきわたるトランペットのような声をとりもどすために、この曲では台湾、フィリピン、インドネシアの先住民の合唱や合奏のスタイルを参考にした。”
前人未踏、全く独自の領域を開拓し続けておられる高橋氏もまた、本研究会のテーマ作曲家として、誠にふさわしい方です。今回、はじめての挑戦となります。
以上、どちらの曲も関西では初演になろうかと思います。
どうぞ、奮ってご参加下さいますよう、お誘い申し上げます。
新しい合唱音楽研究会・関西
コーディネータ 西岡 茂樹
@ 2月21日(土) 13:00〜17:00
A 3月28日(土) 13:00〜17:00
B 4月18日(土) 13:00〜17:00
C 5月16日(土) 13:00〜17:00
D 6月13日(土) 13:00〜17:00
E 7月20日(祝月) 10:00〜17:00(終了後、懇親会)
F 8月30日(日) 13:00〜17:00
G 9月26日(土) 13:00〜17:00
H10月 3日(土) 13:00〜17:00
I10月10日(祝土) 10:00〜17:00 田中先生のご指導
J10月31日(土) 13:00〜17:00
K12月 5日(土) 13:00〜17:00
L12月12日(土) 13:00〜17:00 田中先生のご指導
M12月13日(日) 10:00〜17:00 田中先生のご指導
N1月9日(土) 13:00〜17:00 田中先生のご指導 アイフォニックホールでのリハーサル
O1月10日(日) 10:00〜17:00 アイフォニックホールでのゲネプロと本番
1年間の成果は、199年1月10日(日)に、アイフォニックホールにて発表致します。
なお、演奏会は、田中信昭先生が代表をされている「新しいうたを創る会・関西支部」との
共催になる可能性もあります。
3.募集人数
4.参加資格
5.参加費用(田中先生への謝礼および練習会場費など)
・一般:15,000円 学生:7,000円
6.楽譜について
7.申込手続