第6回委嘱曲「泥の海」の初演演奏会が無事、終了いたしました。
■日時:2000年2月13日(日)15時30分開演
■場所:世田谷パブリックシアター
■入場料:5000円
なお2口会員はご招待
1口会員は4000円
■お問い合わせ:新しいうたを創る会・関東支部
047−332−0388(田中)
プログラム
■高橋悠治 −声と箏のための−「寝物語」(藤井貞和 詩)
西岡茂樹(うた) 高田和子(箏)
■高橋悠治 藤井貞和の詩にもとづく−スイジャクオペラ−「泥の海」
出演者
田中信昭(指揮) 藤井貞和(語り) 山口道子(女ソロ) 近藤政伸(男ソロ)
神田佳子、佐々木啓恵(打楽器)
新しい合唱団、新しい合唱音楽研究会・関西、新しい合唱音楽研究会・九州
振付 石井かおる
演出 高橋悠治、石井かおる、田中信昭
照明 古賀満平
舞台監督 田原進
スイジャクオペラ 「 泥の海 」
(藤井貞和詩集「ピューリファイ、ピューリファイ!」による)
高橋 悠治
この壊れた世界の、壊れたことばと壊れた音楽の「泥の海」から、新しいうぶ声が生まれてくる。
身体というからっぽな器(「スイジャク」してただ「在る」という原初の状態)をつらぬく声の力によって、島となり、時の巫女となり、歌姫、不良少女、五穀となって再生する女たちと、風の音のジープとなって漂流する男たちのグループが合流する、神話的創造の儀式。
声による集団作業としてのオペラの原義にさかのぼり、打つもの、ふるえるものとしての楽器の起源にさかのぼって、音楽は創られようとする。
この儀式は、詩人・藤井貞和自身の声のなかから現われ、またその声のなかに収斂するもの。二人の打楽器奏者のほかには、二人のソロ歌手に導かれる男女それぞれのコーラスが、いくつかの音具をあやつり、かんたんなしぐさと手の舞い、足踏みをともなって展開する。
その前に置かれる「寝物語」(おなじく藤井貞和の詩による)は、古代には巫女の楽器であった箏にのせてよみがえる病んだ少年の声、あおむけに寝て、暗い天井から降りてくる死者のことばを伝える叙事詩の原型。